オーディション記:Lord of the Dance at Liffey Trust Studio
2025/4/21 Lord of the Dance オーディションと雑記
Taka
2025/05/16
今は2025年5月。自分が2008年に最後のリバーダンスに出演してから約17年、その時はもうアカデミーで教えていてという状況での、スポット参加だったから、フルツアーから考えると実に約20年後のメジャーツアーオーディション挑戦となる。 現年齢は51歳、感覚としては野球のイチローさんがメジャーで、もしくはサッカーの中田英寿さんがセリエAトップチームで再度スタメン入りすることを目指すような感じかと思っている。前代未聞の異次元の挑戦。 |
10年前の再挑戦 Riverdance |
事の経緯は少し遡って、今から約10年前、世界を目指していたアカデミー生がアイルランドに渡 り、自分の中に背負っていた荷物も一旦軽くなり一段落した時期、ダンスチームの活動含め今後 の活動をどうしていくか悩んだ時期があった。
その中の模索で、リバーダンスのオーディションを再び受けてみようと思い、コンタクトしたのだ が、年齢の問題で再オーディションはできないと断られた経緯がある。これはリバーダンスが悪 いということではもちろん無く、ただ自分として良かったのは、そこでリバーダンスについては自分 なりに完全燃焼した、再ツアーはないと納得できた機会になった。
50歳での再挑戦 ワールドチャンピオンへの挑戦 |
その後も指導やパフォーマンスも続けて来て、50歳を迎える少し前、アイリッシュダンスで後悔す ることはないか考えた時、1つはコンペティションで不完全燃焼に終わったままリバーダンスへ 行ってしまったことがあり、最後もう一度コンペティション参加してみよう、ということでWIDAの ワールドチャンピオンシップ参加、結果は3ラウンド目でまさかの失格、1ラウンド1位、2ラウンド2 位という成績で終わることになった。これも1つ納得できる機会となった。
2024年Riverdance9年ぶり来日 Lord of the Dance挑戦へのきっかけ |
またちょうどその年に、9年ぶりにリバーダンスが電撃的に来日した。 リバーダンスをやりたくて始めた自分としては、リバーダンスがこのまま来日しないのに、このダ ンスを広めていくことに、一抹のもやもや感がつのる中、もう一度このダンスを見て触れてみたい 人がいるならまだ頑張ってみようと思い返せた出来事ととなった。 そして新しい人達が入って来て、中にはプロを目指して引っ越しして来る人もいるなど、自分がそ れにどう向き合って行くのか、自問する期間が生まれた。それを絵空事でなく、本気で実現してい くためには自分の昔の経験だけでなく、今の水準や実情も頭だけでなく体感してレッスンもアップ デートしたいという気持ちが湧いてくる。 そしてこのままダンスで後悔することがないかをもう一度考えたとき、自分が何度も何度も繰り返 しビデオテープを見てダンスを始めたマイケル・フラットレー御大(以下、御大)に会えずに人生終わ りを迎えることになることは、ここまでこのアイリッシュダンス、というかマイケル・フラットレーズダ ンスを真摯に追究してきた自分には考えられない、自分にはその資格は十二分にあるはずだと いう想いが湧き、仮に御大が亡くなってしまえばその時行動しても遅い!まずは申込む行動を起 こすことが大切、ということでロードオブザダンスのオーディションにエントリーするに至った。 今まで、ロードオブザダンスにトライしなかったのは、勧善懲悪のストーリーがあり、自分自身は 背も低く、筋肉マッチョではないので、悪役不向きだなぁということを感じていたのもあったのだ が、それも自分で勝手に判断し、やらない理由をあげるのではなく、とりあえずは相手に投げて みようと思い直したのである。 挑戦しようと思う限り、いつでも挑戦する行動は起こせるのだ。
オープンオーディション 参加者予想と参加への決意 |
さて、そのオープンオーディション、エントリーして来るのは18歳以上ということで、どんなダン サーが来るのかというと、ワールドチャンピオンシップ開催地・日程にあわせているので、現行そ こに出場するトップダンサーが集結することが予想される。 各年齢で男性トップ10で18~25歳までと考えても80人、女性はトップ20と考えて160人位の参加 かなと予想。 実際は皆参加するわけでないから、200人位かなと。 そこから何人選ばれるのか考えると、20人位?すでにとんでも無いハイレベルの争いで、比率か ら言えば各年齢別の最上位あたりに位置していないと厳しい、ただショーの世界はただの競技の テクニックだけではないのもあり、その総合力で上位にいないと難しい。 自分自身、10年前に年齢でリバーダンスオーディションに参加できなかった経験上、エントリー時 点での拒否も十分起こると思っていたが、なんと審査に参加出来ることに! Nothing is impossible. Follow your dreams. をモットーにしている御大、流石、言動に偽りなし。 何とか御大に会って、その前で踊って来たいと、久々に子供のような感覚にワクワク。(笑) さて、参加出来ることにはなったものの、不採用が前提のお気楽参加は流石にありえない。 競技でもワールドチャンピオンシップに出てビリ争いで良しというのが考えられないように。 自分もプロとしての矜持はある。やるからには前述の新世代の猛者達の中で互角に張り合える 意志と力を示さないといけない。 また、オーディション失敗時の自分のレベルが高くなければないほど、次の世代に伝えられる質は相応 に低くなってしまう。 ここまでのレベルで駄目だから、最低これ以上必須という閾値はできるだけ高く取りたい。 決まってから2週間後にはその場であるから、急ピッチながらも身体を作っていく。タニタの体組 成計で筋肉スコアが出るモデルを使って10年になるが、この10年間で記録したことない程絞った 状態を作りいざアイルランドへ。
アイルランド滞在1日目 到着~違法民泊だった! |
アイルランド、流石に時差ボケありで臨んでも不利な状況ばかりになってしまうので、余裕をもっ て参加、3日前に着いて少し調整しようと。しかしダブリン、円安も重なり、週末のホテル1泊素泊 まりで35000円位するので、2泊は民泊で費用を少し抑えたのだが、行ってみたらまさかのいわ ゆる違法民泊! 語学学校の学生寮を又貸ししている感じで、ついて早々に、2泊出来る状況かわからなくなってき て、最終的には寮長が見廻りに来る可能性も出てくる次第になり、協議の結果、別ホテルへ移 動! このままリスク負って続けても良いけど、見つかったら彼等(留守でいない1人と現場に居る友人1 人)は強制退去になってしまうので、ホテル替りにとってもらえるなら、そこへ移動でもどちらか 選んでもらって良いよと。 いや、人生で初めてEvacuateって会話で使ったかも(笑) そんなことで朝着いてから夜まで全く寝ずに過ごせたので、結果オーライで時差ボケもほぼ解 消。
アイルランド滞在2日目 銀行口座が無効に!? |
2日目は銀行口座から現金引き出しにATMへ。 手持ちの現金は50ユーロ程度しかなくて、少し心細い。 で、ピンナンバー入れて引き出そうとすると、、 「このカードは無効です。」 この10年間口座動いてなかったからなぁ。 来週窓口行くことは確定的に。 まあ、大体クレジットカードでなんとかなるから良いのだけど、為替レートが悪い中、貯金のユー ロをそのまま使えないのが痛い。。 気をとりなおしそのまま少し散歩。天気があまり良くなくて、近場で。 ランチして、スーパーでお土産の紅茶をたんまり買い込む。 夜はフィッシュ&チップス食べにパブへ。 ギネス1杯とで5400円位、やっぱり円安痛感。
アイルランド滞在3日目 フラットレーウイスキーをゲット!! |
3日目、なかなか天気が良くならなくて、本当は少しランニングしようかと思っていたけど、アイル ランドの天気はこうだよなぁ。 昼少し過ぎて少し天気がましになり、ダブリン町中まで散歩する。 一応目的地もあり、Celtic Whiskey Shopへ。 まだ日本では買えないFlatley whiskey、Dreamersを購入、うまく持ち帰れるのか不安だけど、と りあえずはゲットだ。 何とか持ち帰りダンス仲間とスロンチャ(乾杯)したい。 後は歩いて戻るわけだけど、変わらないところは変わらないし、逆に泊まってる3Arena周辺はこ んな場所だったっけ?という位記憶がない。ホテルに帰ると足の指間が右も左も切れていて、靴 下血だらけでちょっとびっくり。そんなに痛くはないけど、少し歩き過ぎたかなと。明日はいよいよ オーディション本番、ほどほどに。 ホテルのレストランでチキンバーガーとハイネケンゼロで夕食。
アイルランド滞在4日目 オーディション当日 |
4日目いよいよオーディション当日。 会場はホテル出て直ぐ目の前のスタジオ、 2日前にここでリバーダンスのオーディションも行われていて、インスタでは2日間で300人以上の 参加者がいると言っていたが、ロードオブザダンスは1日でどれ位来るだろうか? 午前と午後のセッションに分けられ、自分は午後のセッション。遅くても15分前には来てということ で、自分は45分前に。一番乗りだ。(笑) 時間が迫る毎に徐々にダンサーが集まってくる。スクールで大挙して参加してるところもあり、(有 名なスクールは何人もワールドチャンピオンシップに出場しているので)そういうところはやっぱり 気分的にリラックスしやすいよなあ。リバーダンスのジェイソン・オニールみたいな細くてスパスパ 脚さばくダンサーがゴロゴロいるので、こういうトップの場所目指していた昔の自分の気持ちも思 い出し、戻って来たなぁと負けじ魂がまたメラメラと。(笑) 実力不足で来てしまうと、皆がアップしてるこの時点でまず精神的に圧倒されてしまうのだよ なぁ。 時間近くになると会場はとんでもない人で膨れ上がり、一体何人になるんだろうと。午後だけでこ れ、リバーダンスの2日で300人どころではないのでは?と第一印象。 時間になると男性女性で審査会場が異なり、自分は男性の会場で。 午後の男性だけで100人いるだろうという状況に。(最終発表は全体で1日430人) 御大は会場にいない。 ここまで来たけど、会えないのかぁと少し残念に思いつつ、オーディションが始まる。 25名4列で1列づつ交代していく。 人数がそれ程いなければ、コンペティションのダンスなど、自分が用意している踊りも審査される のが普通(要項にも準備するよう記載されている)だが、とにかく人数が多すぎて、そこまで時間が 取れないのだろう。指定の振り付けを皆でピックアップしていく形となった。 女性は別の部屋でコンペティションダンスの審査も行っていた模様(後にインスタにその映像が少 し映った)。 少しやっては列交代と続き、皆と動きが合ってないと思われる人は1人でやらされる。 何回も間違いが続くと流石に印象悪い。 で、最終的に1つ大きな休憩前に、脱落者が発表された。 ゼッケン番号が呼ばれて、ここでサヨナラと。 自分は199、ここでは番号呼ばれないで欲しいと、本気で願った。番号を呼ばれたら15分以内に 荷物をたたみ、スタジオを後にしないといけない。 自分の番号が通りすぎ、間違いじゃないか再度紙を確認しに行って、間違いはないことにホッとし て休憩に入る。休憩中、最初に知り合いになったダンサーも残ってたので、声をかけて、自分が 完璧にまだピックアップ出来てないところを一緒にやってもらう。残念ながら帰らざるを得なくなっ たダンサーにも、良い踊りだったよと声をかけて別れる。 戻ってから続き。 しばらくして、プレスと共に年齢の若いまだ小学生か中学生かのダンサーが混じって皆と少しのステップを体 験する。 将来のビジョンがこの時点で具象化できること、やっぱり大きいよなぁ。 でワンフレーズ位のお試しでその子が抜けた後、もう少ししたら御大が来るとのこと。 対面できる!嬉しさに気持ちが引き締まる。 そのまましばらく過ぎ、御大到着。 「これはコンペティションとは全く違う。 マジソンスクエアガーデンで踊っているんだ! それを見せてみろ!5・6・7・8!」と掛け声を聞きつつ、それにあわせて踊る日が来るとは、ビデ オテープを見て河原で独りやっていた頃からは考えられない旅をしてきたのかなと。 御大もう67歳位のはずだけど、エネルギーに満ち溢れている。自分のエネルギーもそれに呼応 する。 御大が2列目にいた自分のところにわざわざ来て、姿勢を気に入ってくれて、身体も触られたとい うのは、視界に入ってくれたということ、それだけで今までこのダンスをやってきたこと、そして今 回アイルランドに来た価値があった。 最後にグッズ貰って、御大と皆で集合撮影(本家インスタ用)出来たのは良き思い出。 その後終わって最後まで残ったダンサーの数名で軽く飲み。そこで1人のアイルランドのダン サーが前述の元生徒と知り合いなことがわかり、こっちで頑張ってるんだなと、それも良き知らせ に。 あとは後日のビデオ審査。 最終最後まで残る気で頑張っては来たものの、それが叶うかどうかはまた別の話。 ただ、その気概がなければ届かないのが真理。 まだ余韻を残して帰れる幸せと、もう少しベストを尽くせる余地を考えてホテルに帰る。 今日は少しご褒美にサーロインステーキ。
アイルランド滞在5日目 クレカが使えない!~帰国へ |
5日目、今日はゆっくり。 銀行に行き、口座の確認してもらい、しばらく使ってなくて、もう一度アクティブにするには住所な ど身分確認出来るものが必要とのこと。とりあえず、口座の預金が全部消えてしまった!というこ とではないようで、一安心。6月にまた来る用事があるのでまた出直して来ますと伝える。 今日の1日はどうするか決めてなくて、ホテルも予約してなかったのだけど、最近のホテル予約は ほとんどオンラインでしないとならず、重大なことがここで判明する。クレカの認証で2段階認証が メールアドレスに来るのだけど、そのメールアドレスログインの2段階認証で日本の携帯番号へ のショートメッセージになっていて、メール確認出来ません。。というオチに。 明日早朝のフライトだからもういっそのこと空港で粘れば良いかとなり、夜は空港のSuper Macで食事後そのまま朝まで待機して出発。 街中で買ったウイスキー、液体割れ物だからスーツケース中での預けはどうなんだろうと思い、 手荷物にしたら、液体100ml以上は駄目といわれ、もう一度チェックインカウンターへ。でも荷物 はもう行ってしまってるから、機内持ち込み用のカバンにウイスキー入れて2個口預けに。 何だかんだいろいろあった旅だったなぁ。 アイルランドでできることは全て終え、後は日本で最終決戦!!